温かい雰囲気の家族だけの金婚式

結婚して夫婦になったら、その関係はあまり努力しなくても長くし久しく続いて行くものだと、子供の頃は当たり前のことのように思っていました。
しかし、結婚生活を何事もなく穏やかに続けて行くことはほぼゼロに近く、互いにぶつかり合ったり歩み寄りながら築いていくものであることを、私もよく分かるようになりました。

頭で考えるよりもずっと難しく、そして尊いことだと思うのです。
ですから、金婚式や銀婚式と呼ばれるような、長期間の結婚関係を祝うイベントを迎えられるという事は、本当に素晴らしい事であり感動的なことだと思うのです。
特に50年もの長い年月を、赤の他人同士が一緒に暮らし子供を産み育てて行くということは、なかなか簡単にできることではないと思います。
めでたく金婚式を迎えられた我が両親。
主人の両親なのですが、これはやはりちゃんと祝いの席を設けてあげたいと思いました。
みんなで色々相談して、場所を考えプレゼントを用意。
子供が大きな紙に似顔絵を描いて、準備は進んで行きました。
私が結婚した当初は、姑とよくぶつかり途中で電話を切られることもあったのですが、今では何でも言い合える仲。
私が嫁であることを知らない方は、本当の母娘だと勘違いしている人もいるくらいです。
おかしな話ですが、顔が似てきたようなのです。
家族だけで行った両親の金婚式は、温かくて楽しいものでした。
私も主人もとても嬉しく、自分で言うのも何ですがなかなか良い家族だなと思いました。
私たち夫婦は遅くに結婚したので、恐らく金婚式は難しいと思いますが、せめて銀婚式はできれば良いなと思っています。

夫婦で思い出話に花を咲かせる

結婚して良かったかと訊かれれば、間違いなくイエスと答えるでしょう。
一人が好きですし、今も単独で行動する方が好きなのですが、話し相手がいるという事は、想像以上に幸せなものです。

家に帰って来てからの時間も、なかなか楽しい時間になっています。
大した内容の話しではないのですが、二人であれこれ話す時間は癒されますし孤独ではないことを再確認できる時間です。
最近よく話題になるのが、自分たちが子供だった頃の思い出話し。
今では笑われるような昔話しですが、思い出しては懐かしくしばしの間、当時にタイムスリップして話題を楽しみます。
今よりももっと不便でもっと垢抜けない生活でしたが、皆笑顔が多かったような気がします。
少々の失敗はげんこつされて泣いて終了。
私も周りの子供たちも、そうやって怒られて許されて大きくなりました。
後腐れないからりとした関係で、怖いげんこつおじさんも、時間が経てば面白いおじちゃんになっていました。
今は少なからず周りの目を気にして、緊張しながら子育てしなければなりませんし、子供も小さくなっているように見えます。
少しの失敗も、なんだかとても大きなことのように受け止められがちです。
本当は良くないことを分かっていても、それが今の世の中。
皆、ドキドキしながら暮らしているのかもしれません。
思い出話しには、いつも登場する数人の友達もいます。
今では皆立派な仕事を持ち、ちゃんとしたお父さんお母さんをしているのですが、昔はみんなで遊びまわっていました。
夫婦で、二度と帰らない思い出話に花を咲かせて、今日も一人ではないことを噛みしめるのです。

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