懐かしい街を歩いて元気が出てきた
ひょんなことから思いがけず、心が元気になることもあるものです。
何とかしてこのウジウジした思考から脱出したいと願っても、その方法を上手く見つけることができないこともよくあります。
自分でも、この考え方は正しくないと分かっていても、それをストップできないこともあるのです。
反対に、ちょっとした会話の中で答えが見つかることもありますし、何気なく出かけた先で心が軽くなることもあるものです。
私も、一人でいる時間が多かったことが良くなかったのか、ちょっと気分がどんよりして元気が無くなってしまったことがありました。
このままではだめだと思って、気分転換をするべく色々なことをやってみたりしたのですが、結局は上手くいきませんでした。
しかし、用事があって訪れた所でエネルギーがチャージされたのが分かりました。
結婚する前に一人暮らししていた街で、知っている道を歩いていた時でした。
ずいぶん街並みも変っていて、忘れている道も多いのですが、それでも懐かしい街を幸せな気持ちで歩いていました。
もう10年以上も昔住んでいた場所だと言うのに、つい昨日歩いたような気がします。
おかしなもので、一年前も10年前も過去になってしまうと、今の時点から離れた距離は同じになるのです。
何だかよくわからないけど、とにかく嬉しくなって来て凄く元気になることができました。
そんなに緊張しなくてもそんなに怖がらなくても、大丈夫大丈夫。
昔だって、なんだかんだあってもちゃんと大丈夫だったのですから。
余計な心配症が少し消えて無くなったような気がしました。
カルメ焼きについて
カルメ焼き。
今でもたまにおまつりの屋台で見かけることがある。
私は小さい頃に食べたという程の思い出は持っていない。
私の祖母くらいの年代の人が、子供の頃よく食べたというのを聞いた。
私は理科の実験でカルメ焼きをやった。
その思い出が懐かしい。
重曹の勉強をしていたときである。
重曹、炭酸マグネシウム。
ものに混ぜるとふくらませるという効果。
それを実地体験できるのは、まさにカルメ焼きだと思う。
でも実際やったことのある人ならお分かりのことと思うが、あんなに難しい実験もそうなかろうと思う。
適度な火加減で砂糖をとかしつつ、ここ!というポイントで適度な硬さに練った重曹を適量、適度なスピードで混ぜる。
その組み合わせが少しでもずれると、カルメ焼きは決して膨らまない。
先生は上手にやっていたが、その裏に何個のカルメ焼きの失敗作が葬られたことだろうか。
子供というのはそれも知らず、さも簡単そうに見えた先生のカルメ焼きを真似して家でも作りたがるものである。
かくいう私も。
早速中ザラ糖を買ってきて、おたま片手にコンロの前に立った。
少量の中ザラ糖をおたまに入れ、焦がさないように弱火にかける。
少しぐつぐついってきたところで火から放し、濡れ布巾でおたまを冷やしながら、ごく少量の水で溶いた重曹を先端につけたすりこぎで一気にかきまぜる。
すると、うまくいけば一気に膨らむのである。
しかし、膨らませるには熟練の技がいるため、大抵は失敗したぺちゃんこの、カルメ焼きもどきを飽きるほど食べる羽目になるのである。
もちろん私も、ふわっとした「カルメ焼き」を食べたことはない、のは言うまでもない。